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留袖の立ち居振る舞い

1.立ち姿勢

背筋を伸ばし、胸を張り、腹を引き、腰をしっかりと伸ばします。
頭は、まっすぐに上に伸ばし、顎を引き、視線は畳縦三枚分5.4ｍ前方の地点に置きます。
頭のてっぺんからまっすぐ上に引っぱられている感じになりますと体がまっすぐ伸びて、美しい姿勢になります。

2.立礼

礼の基本は、礼の前後に相手を見て、言葉をかけ、おじぎをします。
上体を起こしながら再び相手に目を戻します。
一礼の間は、息を吸う、吐く、吸うという三息の間を目安にするとよいでしょう。
そして、礼で最も大切なのが、心です。心がこもった礼、つまり、相手を敬い、感謝の気持ちを込めておこないましょう。

3.歩き方

足を少し八の字にし、内股に歩くのが基本です。お腹から前に進むような感覚で上半身が前後左右に揺れないようにし、ゆっくりと摺り足で歩幅をいつもより小さくすると、優雅な動きに見えます。
視線は、常に畳縦三枚分5.4ｍ前方に落とすことで、周りから最も美しく見えます。

4.椅子のかけ方

最近の結婚式では椅子に座るケースがほとんどです。
気を付けたいポイントは、帯の形が崩れないように浅く腰掛け、上前が上がらないようにしましょう。
また、後ろの裾が地面につかないように、膝の後ろに少し着物を入れるとよいでしょう。
足は、まっすぐ正面に向けるのではなく、揃えた足を少し右に向け左足を少し引くと、流れるようにキレイに見えます。

5.車の乗り降り

車に乗る際の基本は、体が先で、足が後です。車に乗る前に、まず袂を前で重ね片手でおさえます。ハンドバックなどの手荷物は先にシートに乗せておきます。
着物がはだけないように注意しながらシートに浅く腰掛け、次に頭を低くして体を入れ、最後に両膝が離れないように両足を揃えて中へ回し入れます。

奥へ移る際は、先に腰を進めて、足を引き寄せますと、楽に移動することができます。
車内では、シートに寄りかかりますと帯が崩れますので、体を窓の方へ斜めに向けて乗りますと、体も楽で美しく見えます。

降りる際は、袂が落ちたり、上前が開いていたりしたら直しておきます。両足を揃えて爪先から地面におろし、頭を低くしてくぐるように車外に出し、袖をかばいながら立ちます。
降りたら、帯の垂れやおはしょりなどを手探りで目立たないようにさり気なく直しましょう。

6.階段の上り下り

階段を上る際には裾が階段で汚さないように、必ず右手で上前の端を持ち上げ、裾を踏まないようにします。また、裾が割れ、ふくらはぎが見えないように、やや内股に両膝を離さないようにすると、見た目も美しくなります。

下りる際には上前を軽く押さえて爪先からまっすぐに足を伸ばし、体をやや斜めにするとスムーズです。特に後裾の汚れに注意して、伸ばした爪先をなるべく遠くに置くとゆっくり優雅に下りることができます。

7.袂の扱い方

着物の装いの最も重要なポイントの一つが袂の扱いになります。
袂を大きく振ると、長襦袢が振りからはみ出したり、手首があらわにのぞいたりしますので、できるだけ控えなければなりません。
また美しい仕草には、袂の扱いにちょっとした心配りが必要です。

例えば、タクシーを止めたり、乾杯をしたり、後れ毛を上げるなど、手を肩より高く上げなければならない場合、片方の手で振りの部分を軽くおさえますと二の腕まで袖口が下がらず優雅で、女性らしい仕草になります。

8.末広の扱い方

祝儀の席には欠かせない末広（祝儀扇）は、挨拶をする際は手に持ち、それ以外では、帯の左前側に挿しておきます。手に持つ際のポイントは、女性用の末広は黒塗りの親骨に金と銀の地紙を張っているので、金の側を外（お客様側）、銀の側を内（自分側）に向けて持つようにしましょう。

持ち方は、右手で包丁を持つイメージで小指から親指の順に握ります。
左手は末広の先を支えるように添え、肘を張らないようにします。

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